2023.8.08
奈良 蔦屋書店 GALLERY TOMO Selected Exhibition 【言葉ではなく形】
会期:2023年8月8日(火)-9月3日(日) 10:00-20:00
会場:奈良 蔦屋書店 2F天平ギャラリー
住所:奈良県奈良市三条大路1丁目691-1
電話:0742-35-0600
HP:https://store.tsite.jp/nara/event/magazine/35147-0921230801.html
言葉ではなく形
GALLERY TOMO Selected Exhibition
GALLERY TOMO取扱作家の中から、関西で活動するアーティストたちを選出。それぞれの作品のテーマには直接の関連性はありませんが、キャリアを初期から現在までかかわってきた3人を選びました。
インク、銅。漆、レジン、塗料。
アーティストが制作に用いる素材は様々ですが、この3名が表現する色はそれぞれ漆黒、天然の色、文明の色に分けることができ、また鳥彦は二次元、こうす系は2.5次元、藤田は3次元という形を作品にあたえています。
暗喩的に用いられるキャラクター。示唆する背中。欲望を内包するフォルム。
作家は言葉に拠らず、形に置き換えてそれぞれの技法で表現しています。また、違いがあって独創的です。この10数年を関西で制作及び発表してきた若いアーティストたちの仕事を、ギャラリーを飛び出したこの場所でご高覧いただければと考えています。
GALLERY TOMO
青山知相
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鳥彦 Torihiko
大阪府出身。
銅版画はメゾチント技法を使用した黒の表現と、闇の世界に漂い続ける鳥人の寓話的な世界観が特徴のアーティストです。
ギャラリーの黎明期から10年以上にわたって共に歩んできた関係は、変化のない部分と技術的に進化した部分の両面を持つアナクロニズムの集積であり、鳥彦というアーティストの本質を象徴しています。
藤田薫 Fujita Caori
1986年、大阪府出身。
主に人の背中をテーマにした彫刻家です。漆を使用した乾漆技法の作品を中心に制作しており、他の素材とも組み合わせています。
人は他者との関わりを通じて変容していきますが、その関わりの中で生まれる相違点や混ざり合い、最終的にはわからなくなってしまう部分に焦点を当てて制作しています。
それらの普遍的な変化の形を、人体、テクスチャー、金属粉、氷、花、果実などのモチーフで表現しています。
こうす系 Kooooosuk ※8月8日【ブレイク前夜】BSフジにて放送予定
1990年、東京都出身。
文明の衝突が起きているこの世界で、我々人類は現実に抗う手段を持ちません。
こうす系は、ストリートカルチャーを基にした作風で、さまざまなモチーフを用いて、これらのテーマを表現しています。
今回展示する2.5次元の作品群は「Candy racing」シリーズと題しており、ビジュアルのとおり車をモチーフにしたものです。
産業革命以降、車は社会経済を動かす動輪として欠かせない役割を果たしてきました。また、富の象徴としての役割も帯び、趣味性の高い様々なバリエーションも育んできました。
そういった不可欠な動力と、限りない人間の欲望との関係性が互いに溶け合う様子を表現する本シリーズを皆様にご覧頂ける機会としたいと思います。
鳥彦 -JUGGLER-
2022年12月2日(金)~17日(土)
13:00-18:00
金・土・日のみOPEN
※年内最終の展示となります。
メゾチント技法を用いて特徴あるモノクロームで鳥人の物語を描いている鳥彦。これまで培った技巧を活かし、黒の世界の住人の表情は更なる独創性を見せていく。
今回はエディションを切らず全てmono。技法こそメゾチントではあるものの、作品自体はオリジナル。作家自身がセレクトしたフレームと合わせて一点しかない珠玉の展開を見せる。
2022年の仕事が集約された版画絵画と呼べるシリーズ、この機会に是非ご覧下さい。
アーティスト・ステートメント
JUGGLER
ジャグラーとは奇術師、手品師を意味し、私の描くイメージの原型ともなっているタロットでは魔術師(The Magician)のカードにあたる。手業を使う者であり、その技術は創意工夫によって生み出される。そしてジャグラーはペテン師の意味も含んでいる。うわべと本質、嘘とまことを巧みにコントロールして、見せたいものを見せる。
ジャグラーは二つの対立する要素を自在に行き来する、それゆえにどちらにも属することはない。それは人間そのものでもある。自らの属性をさまざまに変えて、留まることはなく、何者にもなれないまま、やがて疲れていく。
ジャグラーには何かが必要だ。碇となるような何かが。
鳥彦
-Juggler- オンライン販売ページ(全て額装)
https://gallery-tomo.shop/news/638894ed8da73b0dee3f6110
Jugglerのみ、OILでの販売となっています。こちらはシート販売です。
https://oil.bijutsutecho.com/works/967/1100020700?utm_source=BTcom&utm_medium=OIL_compo
鳥彦 -VICES-
2021年12月3日(金)~19日(日)
13:00-18:00
金・土・日のみOPEN
会期中、オンライン特設ページにて出展作品を併売致します。
※販売期間は終了しました。
https://gallery-tomo.shop/
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VICES
VICEとは日本語で悪徳であり、この言葉には価値判断が多分に含まれている。美徳も悪徳も本来存在しない。人間にとって実現が難しく好ましい性質を美徳と呼び、人間にとって常態化していて好ましくない性質を悪徳と呼ぶ。
つまり普通に暮らしていれば美徳は出現せず、人間は悪徳に染まりきるものなのだ。自然な状態を否定して、不断の努力によって異常な状態を維持しなければ、人間はただの獣である。そしてそんなことができる獣は少ない。貴重であるから美徳は良しとされ、”人間”は良しとされるのだ。これは何も暗い気持ちになる話ではない。悪徳とは要するに人間の常態を表しているだけだ。怠惰で傲慢で我慢がきかない、極め付けは他人を攻撃していい気になるのが人間であり、それの何が悪いのか?
もちろん、悪いに決まっている。
鳥彦
Artist homepage
https://torihiko.thebase.in/
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鳥彦の個展に際して
弊ギャラリーに於ける10回目の個展、今回のテーマは「VICES」。
この10年間、世の中でも様々なことが起きた。震災、文明観の軋轢、感染症…
人間の世界とそう遠くないところで、鳥人たちの世界は存在する。
テーマから感じられるのは、この10年の人間の業や穢れを、鳥人たちが背負い彷徨っているかのよう。
鳥彦の用いるメゾチント技法という根気を伴うストイックな銅版画は、その作業の大変さと裏腹な静謐な黒の世界観が魅力だが、作家が添える皮肉や救いのない物語のユニット表現が年を重ねる毎に洗練を見せている。
鳥人のシンプルなパーツのなかに感情の視える表情、遠景をぼんやりさせる素材の生かし方、西洋との気候の違いによるインクの湿度感など見所は多い。
発祥した地域でほとんど使われなくなった技法を、日本人がガラパゴス的に進化させてきた独自性と合わせて、近年表現の幅を拡げているドローイングや鳥土偶という陶土で表現したアイテムなどこちらも注目したい。
この世界の傍にある冷めた「黒」の世界観を、この機会にぜひご高覧ください。
GALLERY TOMO
青山 知相
2021.10.14
TORIHIKO ONLINE
2021.10.13
紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA 2021
「紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA 2021」
https://unknownasia.net/
GALLERY TOMOは、「紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA 2021」に参加致します。
ブース:GA-17
出展アーティスト:鳥彦 (作家は15日会場に滞在予定)
https://torihiko.thebase.in/
10月15日 15:00~20:30 VIPプレビュー
10月16日 10:00~20:00 一般公開
10月17日 10:00~17:00 一般公開
venue:グランフロント大阪 ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター
2020.11.14
鳥彦 -THUNDER MOUNTAIN-
鳥彦 -THUNDER MOUNTAIN-
①2020年12月5日(土)~13日(日)
②12月23日(水)~26日(土)
月・火曜休廊
13:00-19:00 最終日17時迄
都合により、会期が2つに分かれます。
※要予約
・お越し頂ける方は、以下のフォームよりご希望の来廊時間をお問合せ下さい。
・マスクの着用と検温にご協力下さい。ご予約の時間に来られない場合キャンセルとさせて頂きます。
CONTACT
アーティストステートメント
向かい側に一人の男が現れる。醒めた風が吹きおろす山頂で、雷は焦燥的なビートを刻んでいる。ここはサンダーマウンテン。人の認識から生まれながら、それを超えてひろがる峻厳なる峰。
貴方は男と闘わなければいけない。男は様々な姿をしていて、貴方の嫌いな人間であったり、無意味な労苦であったり、突発的な怪我や病気などの不運であるかも知れない。そこには必ず貴方の影、貴方のイメージが潜んでいる。貴方は男そのものと闘いながら、同時に貴方の”イメージ”と闘う。そのイメージを解体することはできない。イメージは貴方の世界を形作るものであり、それを消してしまうことは貴方自身を消すことになる。
この闘いに終わりはない。必ず次の闘いが待つ。生きるとはつまりそういうことで、意味のわからない闘いの繰り返しであり、勝っても負けてもろくな事にはならず、そこから降りることはできない。それに意味を見出そうとしても徒労に終わる。そして傷だけが増えていく。惨めな一人きりの行軍に貴方は耐えなければいけない。己のみを頼りに歩き続けるしかない。
向かい側に一人の男が現れる。男の顔は貴方自身で、次の審判は近い。ここはサンダーマウンテン、終わりのない決闘の場。