篠原猛史 -超臨界点-
篠原猛史 -超臨界点-
TAKESHI SHINOHARA -SUPER CRITICAL POINT-
11月29日(金)ー12月14日(土) 12:00–18:00(日月火 休)
Friday, November 29 ーSaturday, December 14 2024
Noon–6pm(Closed on Sundays, Mondays and Tuesdays)
篠原猛史は京都市に生まれ、1981年にNYのプラット・インスティテュートのドローイング専攻を卒業。その後はベルギーを中心に、カナダ、ガーナ、フランス、北欧など様々な国々を拠点としながらその芸術を磨き上げてきた。初めに渡ったNYではヨーゼフ・ボイスの薫陶を受けその社会彫刻の概念を参照し、また親交のあったキース・へリングとは互いの作品を交換するなど知己を得て、80年代よりその名を知られ始めた。00年代に入ってから現在は日本国内に拠点を移し、現在は東京大学の講師としても活動している。
篠原の作品は立体と平面、抽象と具象の区別は特にない。風、水、火、音などあらゆるものを素材と見立てて作品を構成させる。これらは単なる造形の構成でもなければ、抽象的なコンセプトの主張でもなく、自然の絶えざる循環と人間の営為によるその関係性といった、現実的な問題についての表現である。
ここ数年間、「臨界」というテーマで制作を重ねてきた篠原。フィボナッチ数列のように、これまで生み出したイメージを着実に重ね、限界のそのさらに先を目指しながら放物線を描いている。今回の作品群は、スウェーデン、ベルギー、NYなどこれまで過ごした様々な地域の水を用いて絵具を溶いて制作。内と外、雨の中で制作をしながら、それらを持ち帰り室内で水性及び油性の絵具で仕上げている。
今回の青は、これまでと比較しより光が届かない海の底を連想する深い青が中心となっている。これは篠原の歩みが自然の原理に従い放物線となって表れ、淡い青からより深い蒼へと変わりゆく色相となっていることがわかる。万物は永遠にその形を留めることはできないが、絶えず移ろう時の中で限界を越え続けてきた篠原の歩む軌跡が、こうした色相の変化をもたらしているのかもしれない。
また今年は近作を収録した新たな作品集「IMAGE OF MERKMAL」を刊行した。こちらはオンラインと共に本展示に於いても販売する。
近年の主な個展は、「生の臨界点」GALLERY TOMO(京都、2023)、「月の臨界角」松坂屋上野店外商サロン(東京、2023)など。近年出展したアートフェアとしてACK(国立京都国際会館、2021、2022)、art KYOTO 2023(元離宮二条城、2023)、アートフェア東京2023(東京国際フォーラム、2023)など。彼の作品は、大英博物館(イギリス)を筆頭に、ヘント市立現代美術館(ベルギー)、愛知県美術館(名古屋)、国立国際美術館(大阪)など、数多くの著名な公共及び民間のコレクションに収蔵されている。
作品集リンク