GALLERY TOMO

2025.4.09

篠原猛史 -月の水等価原理-

現在、松坂屋名古屋店にて篠原猛史の個展を開催しております。

TAKESHI SHINOHARA  -The lunar water equivalence principle-

2025年4月9日(水) – 15日(火)10:00– 20:00 最終日は16時まで松坂屋名古屋店 本館8F ART HUB NAGOYA

https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/garou/exhibition/gndart_bgn_sinohara_2504/

冬の空は澄み渡り、青、オレンジ、黄に輝く星々。春の訪れとともにそのような色を認識できない日もある。星ばかりではないが、多くの色彩は季節などの自然状況、個々の人間や生物の精神・肉体の状態などによって大きく影響を受け、感覚のセンサーは揺れ続けている。色彩の自己イメージと他者のイメージは固有色価として必ずズレる。互いに幻想の中でイメージを創り上げていると言える。果たして、世界に起こる事象の数々もこのような各立場からの認識のズレのなかで捉えられている。ところが象徴-シンボル-のように印象強く、繰り返されたイメージの中に残った色・形には、いくらかのズレがあったとしても等価として存在する力がある。隣り合う色、独特の形の重なりが揺らぎ、重力によって浮沈し、光の屈折によって歪み、作品を創る者、観る者の隔てなく生まれ来るイメージの中へ連れていく。注意深い洞察力が常に必要とされる世の中は決して穏やかではないが、そんな中、イメージする力が前に進む原動力になればと考える。

篠原猛史