GALLERY TOMO

2017.4.25

ダヴィデ・プーマ  “メタモーフォシス”


#DAVIDE PUMA
“METAMORPHOSIS”

ダヴィデ・プーマ
“メタモーフォシス”
2017年 4月25日(火)~5月14日(日)
12:00-19:00 不定休 4月28、5月1、7、8、10日、13日休廊 日曜日17時迄
協力:一般財団法人日本イタリア文化協会


 ダヴィデ・プーマ、京都にて初めての展覧会である。
GALLERY TOMOとMAGのプロジェクトによって、一昨年イタリア文化会館の招聘により初来日を果たし、DIM大阪2015のイベントの一環としてイタリア文化会館大阪の文化スペース、スパツィオ・アルテにて個展を開催。グランフロント大阪で盛大に封切られた日本初となるこの展覧会“RIBIRTH”は盛況の余韻を残して幕を閉じたが、京都で行うこの機会に新しいイマジネーションから生み出された新作を追加し、東洋文化に対し深く融合する魔法のような夢のある作品を創り出し提示する。
 プーマは1971年、サンレモに生まれた。さほど若くない頃に絵画制作に携わるようになった。絵画制作への情熱をずっと胸に秘めていた彼は、2003年その内なる声の高まりから自身がもはや逃れられないことを悟り、制作活動に身を捧げるようになった。それから数年後、彼の作品はイタリア各地の著名なギャラリーで展示され、パリやジュネーヴ、ロンドンや南アフリカのギャラリーの関心を惹き、個展を開催。彼のストーリーは2011年のヴェネツィア・ビエンナーレにイタリア代表に選出、参加という形で結実する。2016年カターニアのMACS美術館でも展覧会を開催。そしてカトリックの総本山であるバチカンや、現在居住しているヴェンティミリアの大聖堂のための作品制作も行う。現代イタリアの若手アーティストの中でも特に将来を嘱望される作家の一人である。
 彼は詩情からインスピレーションと滋養を得つつ、人間(人間的なものとして理解される存在)と自然、人間と宇宙、動物界と植物界の対比を描き出す。ダヴィデ・プーマの作品世界では一方が他方の中へと入り込み、組織的な混乱をもたらす。彼の絵は私たちを長時間の観想へと誘う。単一の視点は存在しない。理由もない。 彼のあらゆる作品は、多様な意味をそこに付与することができるという可能性を、その個人的な造形言語の中で私たち一人ひとりに与えてくれる。そして、他にはない独特の感情の強さを私たちに贈ってくれるのだ。彼の絵の美しさが持つ力は大地から引き出されたもので、素材の特性を十分に生かし、ヘラで塗ったようなタッチを頻繁に見せるその技法は、触知可能な緊張感を示す。その一方で、絵の視界からぼんやりと薄れていく詩情性は、触知不可能な雰囲気を作り出すとともに物事の本質を見透かすような明敏な雰囲気も生み出す。私たちは彼の作品の中に、強い個性を持った肉体と精神を見出すことができる。
GALLERY TOMO
青山 知相